スマガ レビュー&感想(感想後半ネタバレ有り)






メーカー:Nitroplus

シナリオ★★★★★
絵柄★★★★
システム★★★
BGM★★★★★
熱中度★★★
エロさ★★★


 ■ シナリオ ■
 主人公うんこマン(仮)が、 「悲劇が待つだけの世界」で戦い続けるヒロインを救うため
 死んで死んで死んで死んで死んで、 何回死んでもハッピーエンドさせるために人生リベンジし続けるお話。

 まあ所謂、 エロゲでおなじみループ系セカイ系ですが、 並々ならない物量とそのパワーこそがスマガの他作品と一線を画すところ。 とにかく詰め込めるモノを何でもかんでも砕いて混ぜて煮込んで爆ぜて、 練れば練るほど色が変わる! ウンマーイ! な感じ。
 どう言えば良いねん。

 んんん、 セカイ系にありがちな閉塞的な世界観を、 滾るパワーと勢いでぶち壊し、 普通はやっちゃいけないような無理を無理矢理納得させる、 田中ロミオの鋭利な力技とは異なる、 本当にパワーで凌ぐような力技を見せてくれるゲームです。 大艦巨砲時代だ! やるな下倉バイオ!
 まあ要するところ、 面白かったです。 序盤では予測不可能な展開なのは間違いない。


 ■ 絵柄 ■
 実はこのゲームを最初興味に入れなかったのは、 絵柄が合わなかったからなのです。
 んで拍手で勧められて、 内容をよくよく見てみると面白そう。 というのが流れ。
 けれどまあ、 慣れるとどんどん好きになれる絵柄ですし、 それに何より塗りがわかってる! 乳首の塗り方よくわかってるよ! そうだよ! その乳首だよ!

 キャラ以外に目をやっても、 奥行きの有る世界と、 何より可愛げがないポリゴンw その古めかしいというかどういうセンスだよと突っ込みたくなる3Dセンスが非常に良かった。 ハナマル。


 ■ システム ■
 基本的にループ系なので、 同じテキストとの遭遇は忌避し得ません。
 まあスキップが効率よく作られてるので、 ループすることへの苦痛はだいぶ抑えられてるかと。
 ただし超速スキップはテキストログが残るようにしてくれたら良かった。 飛んだ先で何が起きたかわからなくなるのは困る。 通常スキップがそんな速くないだけにこの点は改善希望。

 それから起動exeがウィルスチェックに怒られすぎ。 Avast!使いには厳しい作品でありましたですよ。


 ■ BGM ■
 何故か大槻ケンヂが歌ってたりしますが、 それを含めて全体的に作品の盛り上げ方が巧い。
 熱い場面で熱い歌が入ると脳髄に響くね! 俺のウンコ耳でも燃えるモノは理解できるさ!
 個人的にはイデアリズムがキました。 良い歌ばかりですがこいつが僕の脳内主題歌です。

 ちなみに、 公式FLASHサイトの左下にある3色の>>>を押したらたまに聞けます。


 ■ 熱中度 ■
 ループ系ですが、 自由に攻略するよりは攻略サイトでオススメ攻略順などを見た方が良いかもです。
 ほんと力技なので、 重要なイベントを後回しにすると理解が出来なくなる可能性が……。

 個人的にはやわらかうんこマンで中だるみしてるように思えて、 その点ちょっと残念でした。
 ……やっぱり、 先にやったカチカチうんこマンがわけもわからず熱すぎたのが原因かなぁ。 かぶってる話とかも多いですし。


 ■ エロさ ■
 エロシーンはそれなりに有りましたが、 特別エロいゲームではなかった!
 と言うか使えるエロって意味では薄い! シチュは多いけど薄く感じてしまった!
 やっぱりこうさ、 もっとネットリ、 ねちっこくないとな!(趣味の問題)





 総合評価は★★★★★! カチカチうんこマンがレベル高すぎるので、 そこだけでもやる価値有り!
 それと沖の笑顔は反則でした。 反則過ぎて萌え死ぬかと思ったよ!
 かなり長いながら、 確かに良い作品なのでオススメです。 勧めてくれた人にも感謝!




 以下ネタバレ。





 まず、 書き連ねていく都合上、 カチカチうんこマンによるリベンジを1週目、 2週目、 3週目と呼称。 他はそれぞれのキャラクターのルートという形で呼ばしていただきます。
 主人公の名前はややこいので、 全て統一して「オザキ」としています。





 スピカ編
 彼女のセカイは、 1週目の完成された悲劇と、 スピカルートで迎える「一人」を除いて最高に幸福な結末という、 非常に落差のあるストーリー構成が良かった。
 ただスピカルートの幸福は力技が過ぎて、 いやそれは無いでしょ、 いやいや、 それは流石に無理があるでしょ! という「アルマゲスト」のやりたい放題パワー炸裂なルートでもあり、 ご都合主義すぎて感動するポイントをが果てしなくズレてしまったけれどw
 もっとも、 それはアリデッドが撒いた「みんなICUで生きている」という嘘の種をスピカが信じ、 彼女の持っていたセカイ観を覆すことに成功したという、 1〜3週目のオザキがどれだけ頑張っても「実現できなかったことを実現したセカイ」なので、 展開をよくよく考えると感動が止まらない物なのですが。

 それを含めて、 終わってみると何だかんだでスピカルートは一番好きなルートだったな、 と思えました。
 まあ根本的には結局何一つとして解決してないルートなんですけど。




 ガーネット編
 彼女は芯では非常に思考回路が柔らかく、 だからこそ精神的にも弱く、 セカイを支えるアルマゲストには成り得なかったわけですが。
 何と言うか、 全てのワリを食ってますよね。 2週目の時はシナリオ自体の強烈な鬱やガーネットの不幸な過去よりも、 凄い勢いで明らかにされていく謎に夢中になり、 それプラス沖のあまりの格好良さに心を打たれていたので、 気付けばガーネットの存在自体がオマケのような霞みっぷり。
 「おっとり系は不人気になりやすい法則」にハマった上に、 シナリオ的にも沈められたちょっと可哀想な立ち位置です。

 まあそれはそれとして、 彼女のルートの真髄はやっぱりチンコ。
 ガーネットが生み出したゾディアックの姿。 天に向かってそびえ立つ恐怖の巨大チンコ。
 2週目の時はどうしようもなく絶望的な流れでのチンコ登場に、 本当に笑い死ぬかと思いましたがw
 しかも彼女のルート自体、 最も盛り上がるシーンがチンコ登頂だし。

 ガーネットルートと言えばチンコだ! なんて言ってしまうと泣かれてしまいそうな気がする。




 ミラ編
 実質的に、 ミラメインとなる3週目があまりに超展開でありながら素晴らしいグランドフィナーレだったので、 ミラルート自体はほとんど可能性の示唆と一部の伏線の回収のために存在するに過ぎず、 存在感がかなり薄かった。 むしろ無くても大丈夫だった気がする。
 ただやっぱり、 3週目のアツさは最近やったゲームの中でも最高峰の激アツだったので、 この1〜3週目だけでもこのゲームをやった価値が有ったと思います。

 …………にしてもこのミラの話で、 本当に忘れられないのは宇宙悪魔大王の見た目。
 ミラの想像する最強の敵ってあんなんなのかw 顔が付いてればいいとでも思ってるのかw 外にいる無数のゾディアックの方がずっと怖かったって話ですよ!
 しかもただ存在するだけで、 特に目的意識は無い、 というところがまた意味不明だったですしw
 ……やっぱり「勧善懲悪」を徹底したミラのセカイ観における「諸悪の根源」という役割。 それだけのために願い作られた存在だったんかなぁ。 現実世界の隕石とリンクしていたところに意味合いが引かれていた、 とも考えられますけど。




 雨火編
 そのミステリアスすぎて色モノ感漂うどころか完全に色モノですが、 端から端まで変態成分で作られた彼女のルートは、 トゥルーエンドへの伏線引きがほとんどの役割で、 何となくそれ以外の存在意味は薄かったなぁと。 まあその役割自体が非常に重要なんですが。
 個人的に背が低くて乳がデカイところとかキモい性格とか大好きなんですが、 エロシーンの異様な濃さが浮いていたり、 シナリオが結構後ろ向きだったので、 終わってみるとあまり明るいイメージが残ってなかった。




 沖編
 みんな大好きミスノーバディー!!
 頑固だが柔軟、 一般人だが普通に強く、 時折見せる笑顔は全キャラ中で一番可愛い!!(断言)
 真ヒロインどころかメインの3人すら追い落とし、 むしろ彼女こそが本当のヒロインですと言っても差し支えないぐらいシナリオ的にも優遇されているこのお方。
 世界にとって悪かどうかなんて関係なく、 自分で考え、 自分が正しいと思った道を選び突き進む姿勢はどうしようもなく格好良かった! 素敵! 性的に真性Sなところも素敵!!(帰れ)

 しかーし! いくらエロいとは言え、 尻尾フェラはどうかと!
 沖自体は正直、 本当に、 ほんっとうに反則的に可愛いキャラだったと思うのですが、 どうしても尻尾フェラにアンテナが立たないw
 しかも先端から悪魔汁が出てるし! それはエロいのか! エグいのか! わからん!
 ただ尻尾をオザキの尻穴にぶち込んでやろうという考えは嫌いじゃないぞ!! 俺は駄目な奴だ!! 今に始まったことじゃないけど!!




 とまあ、 この辺りで。
 本当はシナリオについても書こうかと思いましたが、 メタ視点とかその辺り語りにくいのでやめときます。
 あの威力と勢いは体感してこその物で、 少なくとも僕には文字や言葉だけであれを伝えるだけの技量がありません。

 けれど……やっぱり全部終わらせても「アルマゲスト」という全ての超展開に理由を付けられる設定は反則だなと思うわーw
 もっとも、 そんな無茶苦茶な設定を大量に投入してるのに、 プレイヤーを幻滅させないシナリオ構成を築き上げているところが、 下倉バイオ氏の凄いところだったのだと思いますが。



 最後に、 一つだけ間違いないのは音楽に関しては近年でも最高峰の作品という点。
 サントラ購入は特務です!












This text was written by Yukihiro Hikaze. 2008/10/24

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